(私の)びわいち 感想・まとめ

琵琶湖_最高地点_ビワイチ
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自転車を始めて「○○イチ」がいくつもあることに気づきます。
「ビワイチ」は非常に有名で、平坦が続く道は難易度が低いと言われていますが、果たして本当にそうなのか⁉実際に完走した私の(個人的)感想。

ビワイチとは

そもそもビワイチとは何なのか?

滋賀県にある日本一大きな湖、琵琶湖を一周することです。
琵琶湖大橋で北湖・南湖で分かれますが、北湖一周で約150㎞、北湖・南湖を合わせて一周して約200㎞を走破する、やり切った感(ドヤ感)の呼称をビワイチと言います。

ルートは琵琶湖沿いに引いてあるブルーのラインに従って走ります。

国交省指定のナショナルサイクルルートでもあり、非常に厳しい要件をクリアしていることは間違いありません。

ナショナルサイクルルート Logo
ナショナルサイクルルート・ロゴマーク ※ナショナルサイクルルート・ロゴの著作権は、日本国政府に帰属します。(拝借)

ナショナルサイクルルートとは
自転車は、それに乗ることそのものを楽しんだり、
また、サイクリングツアーで地域をめぐり、沿線の魅力を楽しむことができ、
全国各地で官民が連携し、自転車の活用による観光地域づくりが進められています。
ナショナルサイクルルート制度は、優れた観光資源を走行環境や
休憩・宿泊機能、情報発信など様々な取組を連携させた
サイクルツーリズムの推進により、日本における新たな観光価値を創造し、
地域の創生を図るため、ソフト・ハード両面から一定の水準を満たすルートを
国が指定することで、日本を代表し、世界に誇りうるサイクリングルートとして
国内外にPRを行い、サイクルツーリズムを強力に推進していくものです。

国土交通省:ナショナルサイクルルート

ビワイチのコースでいえば、推奨コースマップに従うと距離190.1km、獲得標高1159m。
そして、国交省の要件、100㎞以上のコースで、自転車通行区間が設定され、20㎞おきにサイクルステーションが設定されている。
それら要件をクリアしたコースです。

ビワイチ推奨コースマップ(MORIYAMA CYCLING MAP)

平坦なルートと言われていますが、多くの媒体で難易度は★3以上です。

これは、いくら平坦が多いとは言え、距離の長さだけでも容易な道のりではないことを示しています。

私たちのビワイチ

私たちはクロスバイクでの1周を目指したので、ロードバイクの方々とは若干感想のニュアンスがずれるかもしれません・・・
少なくとも私たちのビワイチは容易ではありませんでしたし、のんびりと観光を楽しむ旅ではありませんでした(笑)
「道には迷わない」ほうぼう、さまざま言われていますが、実際は気を付けないといけないポイントもいくつかありました(苦笑)

そんな旅の内容をまとめて書き留めておきたく思います。

全体スケジュールの策定

全体で約200㎞もの距離を走るわけですから、自分がどれくらいのペースで巡行できるのかを計算しなくてはなりません。(当然体力がどのくらい保てるかも。)

ロードバイクで、平均25㎞をキープできれば8時間で1周することが可能です。
当然休憩も必要なので、昼食1時間、20㎞おきに10分の休憩を入れるとしても1時間半以上の休憩が必要です。
8時間のペースで走ったとしても実際には10時間程度が見込まれる。
(実際に走りこんでいる方達は30km/h以上で走るそうなので、まるで計算と違ってきますが・・・)

私たちはクロスバイクで18㎞/hを前提に考え、15㎞ごとに休憩をとる計算で計画を立てました。
(いささか余裕があるつもりではいましたが、実際はトラブルも含めて18km/hでは走れていない。)
18km/hで考えたときでも、休憩を含めると12時間以上の時間がかかるので、メンタルと体力に自信がない限りは2日に分けて走るのが良いと思います。

宿泊先とスタート地点

私たちのスタート地点:草津駅

まず、「推奨コース」既定のスタート地点として、ぐるっとびわ湖サイクルラインの起終点は石山駅付近の瀬田の唐橋が設定されています。
滋賀県、特に琵琶湖の南寄りのエリアにはホテルもたくさんありますので、起点に近いホテルが取れればそれが良いかもしれません。

私たちは輪行した後の移動距離が短く済む草津駅のホテルを選択しました。
新幹線で京都から在来線に乗り継ぎ、駅前のホテルを予約してスタート地点に設定。
ホテルボストンプラザ
色々と思うところはありますが、輪行してチェックインするまでのアクセスが非常に良いホテルです。
駐輪に関しても自転車用ラックがありますので、予約時に念押しすれば、屋根のあるところで安全に駐輪ができると思います。


東日本からの輪行では米原駅が推奨されますが、京都乗り換えで宿泊先をする方法も一つ選択肢として考えても良いと思います。
もっとも、道中で一泊する計画を立てるなら米原スタートがいいとも思います。(後述)

スタート時間

スケジュールに依存しますが、道中に一泊挟むのが前提であれば、朝はのんびりとスタートするくらいの方がいいと思います。
私たちは、12時間以上かけて一日で一周することを前提にしていましたので、早朝に出発することにしました。10月時点で早朝は結構寒いです。
AM5:00スタート。
朝早くにライトを点けて街中を疾走して琵琶湖を目指し、湖岸下笠からサイクルコースに入りました。

回り方は反時計回りです。
(左手に湖を見て回ります。これは、時計回りに回ると余計な信号につかまって、煩わしいし、余計な危険を負うからです。)

さざなみ街道

びわ湖の東側、さざなみ街道の間はひたすら平坦。
車も走りますが、自転車用のスペースも確保されていてとても走りやすいです。

平坦が長すぎて少々飽きることもあるかもしれませんが、走りやすいこの区間は一気に走り抜けてしまうのが良さそうです。
とはいえ、この区間、長く走れるからといって補給を忘れないようにしましょう。
序盤だからこそ体力をしっかり温存しておく必要があると感じました。


道中サイクリストの聖地碑で写真を撮り、びわ湖一周認定システムのチェックポイントを何か所か通過します。(これは絶対事前に登録しておいた方が良いです。走り切った後の達成感が違います。)

サイクリストの聖地碑
サイクリストの聖地碑

みずどりステーション~マキノ

湖の北側は山岳地帯です。
この区間は補給ポイントも少ないので、みずどりステーションでしっかりと補給をするか、少し先のローソン 西浅井塩津浜店で一回休憩をはさむのが得策と思われます。

私たちの体験で申し上げると、みずどりステーションを通り過ぎた後は非常に風が強かった。
山から吹き下ろすのか、風は向かい風。まるっきり前に進みません。

そして、道案内が少し不親切な旧道を走り、賤ケ岳隧道へ向かいます。

賤ケ岳トンネル


賤ケ岳隧道を抜けると琵琶湖イチの絶景が待っています。
標高は150mくらい。

坂自体は短くてスパッと切られるくらいのダメージです。

自転車しか走れないので、安心して走れますが、「平坦しかない」覚悟で向かうと、萎える斜度ではあります。

登り切って写真を撮ったら、一気に坂を下ります。

琵琶湖_最高地点_ビワイチ


坂を下りると西浅井。
私たちはここで休憩をいれなかったことを無茶苦茶後悔しました。
この先道の駅マキノまでに補給ポイントはありません。

西浅井からマキノまではトンネルも続き、道幅の狭いエリアもあって危険な区間です。
永原駅前後で、地味にアップダウンが続き、その間水分の補給もできませんでした。
だいたい10㎞程度。気を付けて走りましょう。

特にトンネルは側溝のふたが鉄板でむき出しだったり、人が一人歩ける程度の歩道しかなかったり・・・車道は大型トラックが飛ばしていたり・・・

結構緊張します。
西浅井から通過するトンネルは下記二つ。

  • 岩熊第二トンネル
  • 奥琵琶トンネル

奥琵琶トンネルは本当に萎えました。
暗いトンネルで1.7㎞はちょっと長い。そして、大型車両の交通量が多い。
歩道を走ることは難しいです。かといって車道の交通量は多い。
歩道を歩くにせよ、車道を走るにせよ、反射板だけではなくテールライトは必須です。

マキノ~大津

道の駅マキノまで来たあと、坂を下ればまたしばらくの平坦です。
とはいえ、(時間帯によるかとは思いますが)徐々に交通量が増えてきます。
また、この区間は道路幅も対面(湖東側区間)と比べて少し狭い。
車両が増えてくると渋滞も発生し、身動きが取れなくなります。

※冒頭後述としていたのはこの辺りに起因します。
米原スタートして明るいうちに回るか、湖北のエリアで一泊して、朝のうちにまわるか?
明かりが落ちて走ることについては推奨できないと私は思っています。

ちなみに、この区間のフォトスポットとしては、近江高島駅のガリバー像や白髭神社の鳥居等があります。


道はひたすら平らなので、走りやすいことは間違いないのですが、西側に早くたどり着けるかどうかは、夕食にも影響します。

いずれにしてもこの区間は交通量が多く、車両のスピードに怯えながらもしっかりと周りをよく見て走ることが大事だと思います。(私たちは近江高島からあとの区間で横断歩道を渡るときに怖い思いをしました。手を挙げても車が連なっているのでなかなかスピードを落としてくれません。)

近江高島から後は、線路の下や、細い歩道のようなところを走り、夜になると路上の青い矢羽根が見づらくて仕方ありません。
夕方から夜にかけてこの区間を走ることのないように時間を計算しておくことも重要だと思います。

大津~湖南エリア 完走

湖の南側は市街地です。
びわ湖大橋を渡るか渡らざるかで、呼称が変わってきます。要注意です。

冒頭申し上げた「ビワイチ」ですが、びわ湖大橋を渡らなかった者には「ビワイチフル」を名乗る権利が与えられます。
「ビワイチフル」を名乗れる者は、「ビワイチ」を語る人に対して、生暖かくふんわりとマウントをとる権利が与えられます。

びわ湖大橋を前にして、「渡る」を選択するか、「渡らざる」を選択するか・・・
あなた次第です。

私たちもびわ湖大橋の直前で橋を渡るか渡らざるかの岐路に立ちました。
しかし、渡らないことを選択し、びわ湖大橋を渡らずに大津~湖南エリアを走ってビワイチフルの完走を選びました。

ビワイチフル、フルビワイチ完走で190km(約200km)。
通常の北湖1周で150km。

この湖南側の50kmが最後の最後に結構堪えます。気持ちを強く持ちましょう。
(そもそも北湖回り人はスタート地点も違うか!?)

大津からはもはや街中なので、夜になっても明かりがあります。
いわゆる都会の夜の道なので、線路の下を走るような怖さはなく走れると思います。

この時私は膝をおかしくしてしまい、何とか片足でこいで走っていましたが、リタイアしても帰るまでの道中は電車が走っているので心配もありません。

結果的には草津まで走り切り、初挑戦でクロスバイクフルビワイチを完遂しました。

総走行距離:191km

ビワイチ MAP
東側で停車が多く、西側では極端に停車が少ないGoogle マップのタイムライン

総評

湖東・湖北・湖西・湖南と、おおざっぱに区分ける(地元の方の認識とは違うかもしれませんが)と、湖東区間は道幅も広く走りやすい。湖北の山の区間は補給ポイントのなさも含めて難所。湖西区間は道幅の狭さと車両の多さに注意。湖南は街中なので人にも注意。

一日で周る場合は、停車のポイントをしっかり絞って盛り込み過ぎないことが重要かと思いました。
私たちは写真などそれほど残っていませんが、停車のポイントが多いと時間はかかります。
今回、平均17.5㎞/hで走って約16時間かけての一周でした。
次回があるかはわかりませんが、もう少し余裕を持ったスケジュールで周れるように計画したいと思います。

近畿地元でない限り、しょっちゅう挑戦できるものでもありませんので、びわ湖一周認定システムは絶対に事前に登録しておいた方がいいでしょう。
後日届く賞状まで含めて「ビワイチ」かな、と、思います。

全体を通して考えると、ものすごいきつかったわけではありません。
平坦多めも間違いないので、あとにして思えば少し計画を修正すれば楽ちんにはなったと思います。
とにかく、今回、自転車2年目のNUNU様発案でいきなり200㎞を走りましたが、新しい試みに自分の自転車で挑戦することは楽しいと思いました。輪行は楽しい!

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